コラム | 第16話 アバウトな話

年をとってくると、だんだん話の内容もアバウトになってくる。

それとかあれとか、指示代名詞の連発をしている場合も多い。

この前、電車の向かいの席でお年を召したご婦人方が話をされていた。

やはり、話題は時節柄、フィギュアスケートである。

「ほらほら、あの金メダルとった、なんとか静香ちゃん」
「そうそう、しずかちゃん、しずかちゃん」
「しずかちゃんの・・・」

苗字が出ないらしい、「しずかちゃん」「しずかちゃん」と連呼されると、そう言えば、のびた君も応援していました・・・と思うのはわたしだけだろうか。

「あの、4位になった子。かわいそうでしたな」
「そうそう、かわいそうに」
「なんと言いましたかな・・・」

トリプルエテコウ想像図

トリプルエテコウ想像図

「確か『ふぐり』」

ふぐりは「金○」のこと。それは村主(すぐり)!

「なんか、技の名前もややこしいですなぁ。年寄りにはわかりませんわ」
「静香ちゃんはイナバウアーですやろ」
「よう知ったはりますなぁ」
「なんか物置みたいやから覚えたんですわ」

・・・確かに似てるな。100人乗っても大丈夫。

「トリプルアクセル言うのもありましたな」
「ありました、ありました」
「それと、もうひとつトリプル、トリプル・・・」
「エテコウ」
「そうそう、それそれ」

・・・ちゃう、それはトリプルサルコウや!親父ギャグか!!

大阪は電車に乗ってるだけで、結構疲れます。