コラム | 第20話 世界相撲協会

大相撲の夏場所でモンゴル出身の白鵬が優勝した。
テレビで見ていたが、なかなかいい取り組みだった。
思わず力が入ってしまった。

しかし、気になることがある。
朝青龍、琴欧州、把瑠都、黒海と外国勢が頑張るたびに繰り返される「日本人もしっかりしてほしい。外人ばかりになってしまう」というセリフである。

次の日の朝のニュースでは某高名キャスターも言っておられた。

そうだろうか?白鵬はインタビューに一生懸命、日本語で答えていた。

言葉も習慣も違う国に来て、先輩後輩のきつい社会に入り、厳しい稽古に耐えてきた人たちに対して失礼ではないだろうか。

NHKのインタビュアーが
「モンゴルから来られたお父さんやお母さんに何か、一言!
モンゴル語でもいいですよ」と言った時に白鵬は「いや、それは」と遠慮した。

その日、優勝後の他局のドキュメンタリーで登場した白鵬のお母さんは
「モンゴルには『他の国の水を飲んだら、その国の習慣に合わせなさい』ということわざがあります」
という話をされていた。

『郷にいれば郷に従え』である。
みんな、ちゃんと心得て努力しているんだと思う。

いい加減に小さな事を言うのは止めた方がいいと思う。アメリカではイチローを応援し、松井の怪我を本気で心配してくれる人たちがいるではないか。

柔道も剣道も競技人口は世界に広がっている。

せめて服を着てから・・・

日本相撲協会はもう止めて、「世界相撲協会」にすればいい。

そういう時代になっていると思う。

ただ、ひとつだけ止めて欲しいことがある。
白鵬が表彰式の準備のため控室に引き返した時に、旭鷲山や把瑠都と抱擁を交わし、祝福のキスをしていた。

これが、相撲界全体に広がって、勝つたびにみんなと抱き合ってキスするようになるとちょっと気持ち悪い。
ビジュアル的に似合わない人もいる。
また、特殊な下心のある人もいるだろう。

せめて、服を着てからにしていただきたい。