コラム | 第21話 熟れ過ぎた桃太郎

出張に向かう新大阪の駅でふと考えた。
桃太郎はおばあさんが川から拾い上げてくれたから良かったものの、よそ見している間に流れて行ってしまったらどうなってしまうのだろう。

どんどん下流に流されていく間に桃は熟れていく。
きっと、河口にたどりつく頃には熟れすぎて少し茶色いところが出来てしまうだろう。

そこに年老いた父親の面倒見る感心な漁師の若者がいたりする。浜辺で網の手入れなんぞをしているところにその桃が流れてきたりする。

お世話になります

・・・桃太郎です。どうも、お世話になります。

「おっ、おいしそうな桃じゃ!!親父に食わしてやろう」と思い、家にもって帰る。

「おとうさん、おいしそうな桃が流れてきました」
「おおっ、これはよく熟れとるな。もう限界まで熟れとるぞ」

漁師の若者は包丁で、桃を割ってみる。
すると、そこから熟れすぎて年老いた桃太郎が現れた。

・・・次の日から、若い漁師は二人の年寄りの面倒をみましたとさ。

めでたし、めでたし・・・って、どこがやねん!!

・・・と、ひとりで突っ込んでいたら新幹線が到着した。